ベストセラー『がんばらない』ほかの著書で知られる、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏は、よく長崎を訪れる。氏は、長崎に通っているうちに、トルコライスという変わった洋食があることを知り、早速、食べに行ったという。
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『ツル茶ん』という店だ。『ツル茶ん』では50年ほど前から、トルコライスをメニューに入れていたという。大皿の真ん中にはポークカツがドーンと置かれ、その右側にはスパゲティナポリタン。左側には、カレーがかかったライスが。その上部にキャベツとキュウリ、トマトが乗っている。この位置が大事だそうで、ナポリタンは必ず右なのだ。
僕は店主の川村さん(51歳)に「B級グルメの大会に出さないのですか」と尋ねた。すると川村さんは「トルコライスは、B級グルメではありません」と、ビシッと言い返された。50年の歴史があるのだから、その辺のB級グルメと一緒にしてほしくない、という毅然とした態度が感じられた。
とにかく、量が多い。学生時代だったら、おいしくてお腹いっぱいになる最高の贅沢だろう。しかし62歳のカマタには、ちょっときつく、ライスを少し残してしまったが美味しかった。
ほかにもトルコライスのバリエーションがある。ポークカツの代わりに、クリームソースがかかった海老フライ、ハンバーグがのったトルコライスもあった。
※週刊ポスト2010年11月12日号