ジャーナリスト・黒木昭雄氏(享年52)が11月2日、父親の眠る寺の駐車場に止めた車の助手席で亡くなっているのが見つかった。死亡推定時刻は1日23時ごろとされる。
警察OBでありながら、警察の不正などを厳しく追及してきた黒木氏。最後に手がけていたのが、2008年7月に岩手県で起きた17歳少女殺害事件だった。岩手県警が指名手配している容疑者について、黒木氏はえん罪ではないかと疑問を呈し、警察の捜査を真っ向から批判していたのである。
警察は、黒木氏が亡くなった原因について、練炭自殺の可能性が高いとしているものの、こうした背景があるだけに「口封じされたのでは」などと謀略小説のような話が飛び交った。ツイッターでは〈黒木昭雄さん暗殺事件が発生!「練炭自殺」に偽装!〉といった書き込みが相次いでいた。
「警察の人間は、黒木さんをあしざまに罵る人も少なくなかった。身内だっただけに裏切られたという思いも強かったのでしょう。それだけにこうした“謀殺説”が飛び交うのでは」(警察関係者)
しかし、黒木氏とともに事件取材に当たっていた平松総合調査事務所の平松直哉代表はこう語る。
「死の翌日、11月2日午前9時頃に、黒木さんから〈こんな形になったけどいつも見守っている。また会おう〉という携帯メールを受け取りました。タイマー設定で送信したのでしょう。一部で『確認されていない』と報じられた、家族あての遺書もこの目で見ました。別れの挨拶と『葬儀はこうしてくれ』ということが簡単に書かれていました」
※週刊ポスト2010年11月19日号