バーベキューや焼き鳥店などで炭火焼きの料理が流行したり、昨今では部屋の消臭効果などが期待できる炭への関心が高まっている。世界一の炭焼き技術を誇る日本で良質な調理燃料、消臭機能のある素材を作る「炭焼き職人」になるには特段の資格は必要ないが、炭焼きの経験者に入門して知識と技能を取得するケースが一般的になっている。
炭焼き職人になると月額20万円程度を得ることが可能だが、炭を作る窯の初期投資には300万円前後と作業スペースの確保が必要だ。山間部にある古い木を決まった大きさに切り、窯で温度調整をしながら炭を蒸し焼きする。2日間の寝ずの番をしながら、完成までの2週間程度を一人で没頭して行なう作業なので、孤独が嫌ではないことはもちろん、微妙な温度の加減などにも注意を向ける集中力が求められる。また、営業販路を探すことも必要。
作業場は都会ではなく森林のある田舎に置くことになるので、田舎暮らしが嫌いな人には不向きな仕事といえそうだ。
※週刊ポスト2010年11月19日号