国際情報

APEC開幕 欠席した場合に外交的ダメージを受けるのは実は中国

 横浜でのAPEC首脳会議がまもなく開幕するが、懸念されていた胡錦濤・中国国家主席の来日が決定し、ホッとするムードも漂っている。だが、実は中国こそAPECを欠席した場合に外国ダメージが大きいと指摘するのはジャーナリストの武冨薫氏だ。

*****************************

「そもそも尖閣問題でとった中国の姿勢は国際的に厳しい視線で見られている。これでAPECを欠席すれば外交的にダメージが大きいのは中国の方」(外務省幹部)であり、中国が海保のビデオ公開を止めたがっているのも、裏を返せば公開で国際社会から批判を浴びるのを恐れているからに他ならない。国の手持ちは“切れないカード”だ。むしろ外交カードは日本の方が多く持っているのである。

それなのに、菅政権が国際情勢を読み切れずに中国に一貫性のない対応を取ったことで、ロシアまで日本の足下を見透かしてメドべージェフ大統領が北方領土の国後島訪問に踏み切った。

メドべージェフ大統領の北方領土訪問は「9月末に訪中した際、胡錦濤と領土問題での共闘を確認した」(民主党国際局幹部)からだと見られている。味を占めたメドべージェフ大統領は国後訪問直後に歯舞、色丹両島の視察までブチ上げた。国益がぶつかる外交の場で、ひとたび「日本は弱い」と思われたらどこまでも舐められる。菅政権の外交失態がこの国の将来に大きな禍根を残したのは間違いない。

※SAPIO 2010年11月24日号


関連キーワード

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン