心や身体などの悩みを抱える人々に24時間年中無休の交代制で電話相談に応じる「いのちの電話相談員」――一体どんな職業なのか。
1953年にイギリスで誕生し、1971年10月に東京で産声を上げた「東京いのちの電話」。現在では47都道府県に規模が拡大していて、開設以来休むことなく電話を受けている。電話での相談内容は人間関係、自身の健康問題、仕事に関する悩み、男女関係など多種多様。
相談時間については制限はなく、悩みにとことん付き合うようにしているのが特徴だ。1年間の相談件数は3万件にのぼる。相談員になるための国家資格はないが、団体が主催する約2年間の研修を受講する必要がある。研修では電話を使って相談員同士がロールプレイをしたり、大学から心理系の専門家を講師として招く講義を開催したりと、多様な相談にも対応できるプログラムを受講する。
相談員の平均年齢は57歳前後、1日約4時間の勤務、年中無休365日24時間シフト勤務をすることになる。
※週刊ポスト2010年11月19日号