北朝鮮で後継者に金正恩氏が公式に登場したのに合わせるように、中国でも習近平氏が後継者の地位を固めた。今、アジアが大きく動こうとしている。そして、産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏は、そこに、「2012年問題」が潜んでいるという。以下は、黒田氏の指摘である。
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朝鮮半島をめぐっては「2012年問題」というのがある。金正日政権が2012年を「強盛大国の大門を開く年」として目標にしてきたからだ。核開発などそのシンボルだ。
この年は「金日成生誕100年・金正日70年・金正恩30年」で世襲3代にとって区切りがいい。北朝鮮はこんな数字合わせが大好きだ。そのため金正恩の誕生年も従来より早めて1982年にしたほどだ。
金正日政権の思惑としては、できれば2012年に党大会を開き、金正恩のポストも格上げし、後継体制を確固としたものにしたい。ところが2012年というのは、中国では胡錦濤国家主席の任期が終わり習近平体制がスタートする。こうした「政権交代」は中国だけでない。韓国でも大統領選の年になっている。ロシアでも大統領選が行なわれ、台湾も総統選がある。さらに、米国でも大統領選が行なわれる。
つまり朝鮮半島をとりまく各国が政権交代期を迎えるのだ。その結果によっては対北朝鮮政策に変化も考えられる。なかでも韓国および米国の「変化」の行方は大きい。
※SAPIO2010年11月24日号