エコカー補助金の打ち切りで、車の販売に急ブレーキがかかる中、補助金に代わる起死回生の方策が求められている。自身も車好きとして知られる経済アナリストの森永卓郎氏が、車離れを止めるためにどうすべきか提言する。
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今、なすべきことは、車離れの弊害となっている税制を、大きく変えることです。具体的には今のエコカー減税を拡大して、エコカーなら自動車重量税と自動車税を撤廃する、あるいは大幅に軽減する。また、ガソリン税の暫定税率も撤廃すべきでしょう。
都会の人には実感がないかもしれませんが、地方では駐車場代は極めて安く、維持費と言えば「税金」と「ガソリン代」くらいなのです。
だから、この「エコカー減税拡大」によって、特に地方では「車を持とう」という若者が増えるはずです。自動車の保有台数が増えれば、税金を削減しても、税収は結果的に減らないと考えられます。
私は2003年に「年収300万円時代」がやってきていると提唱しましたが、今の若者は100万~200万円台が当たり前。車の税制もそうした時代に合わせることが必要です。
実際、全国消費実態調査によれば、年収300万円未満になると車の保有率がガクンと低くなる。それは、税金による高い維持費が弊害となっているのです。
ちなみに私はトヨタのカローラとパッソに乗っていますが、維持費が安ければ、もう1台、軽トラックを欲しい。そういう人が増えれば、自動車業界は元気になります。
※SAPIO2010年11月24日号