国内

尖閣ビデオ告発の海上保安官 憧れたのは野口英世の生き方

尖閣諸島沖で起きた中国漁船の衝突ビデオを流出させたとして、任意の事情聴取を受けていた神戸海上保安部の海上保安官(43)について、警視庁は逮捕を見送る決定を下した。全国紙記者はこう見ている。

「今後は警視庁が在宅のまま書類送検し、検察は起訴猶予(不起訴)で落着させる方針です。検察と海上保安庁が話し合い、海保が内部規定に沿って懲戒や減給などの処分で済ませると思われます」

その“告発”によって、日本政府を激震させた保安官・A氏とは、いったいどんな人物なのか。A氏は京都市の出身で、3人きょうだいの末っ子。父も兄・姉も公務員という公務員一家に育った。小中学校は地元の学校に通い、中学では野球部に所属。その後、富山県にある商船高等専門学校へ進学した。小学校時代の同級生は当時のA氏についてこう証言する。

「小学校時代は伝記を読むのが好きで、図書館で偉人の本を借りて読んでいました。なかでも野口英世を尊敬していたようです」

黄熱病研究に情熱をそそぎ、51才のとき、研究先のアフリカの地で、黄熱病によって命を落とした野口英世。彼はアフリカに渡る際、こんな言葉を残している。「私は何ものも恐れない。私はこの世界に、何かをやりとげるために生まれてきたのだ」

自分の身の安全よりも、世界のために生きる――そんな野口英世の生き方に憧れたA氏は、ビデオを公開しない政府に憤り、自らの手を汚してまでも映像を流出させる決断したのかもしれない。

※女性セブン2010年12月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

依然として将来が不明瞭なままである愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
愛子さま、結婚に立ちはだかる「夫婦別姓反対」の壁 将来の夫が別姓を名乗れないなら結婚はままならない 世論から目を背けて答えを出さない政府への憂悶
女性セブン
28歳で夜の世界に飛び込んだ西山さん
【インタビュー】世界でバズった六本木のコール芸「西山ダディダディ」誕生秘話、“夢がない”脱サラ社員が「軽い気持ち」で始めたバーダンスが人生一変
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《“イケメン俳優が集まるバー”目撃談》田中圭と永野芽郁が酒席で見せた“2人の信頼関係”「酔った2人がじゃれ合いながらバーの玄関を開けて」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
山口組がナンバー2の「若頭」を電撃交代で「七代目体制」に波乱 司忍組長から続く「弘道会出身者が枢要ポスト占める状況」への不満にどう対応するか
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん、母・佳代さんのエッセイ本を絶賛「お母さんと同じように本を出したい」と自身の作家デビューに意欲を燃やす 
女性セブン
日本館で来場者を迎えるイベントに出席した藤原紀香(時事通信フォト)
《雅子さまを迎えたコンサバなパンツ姿》藤原紀香の万博ファッションは「正統派で完璧すぎる」「あっぱれ。そのまま突き抜けて」とファッションディレクター解説
NEWSポストセブン
国民民主党の平岩征樹衆院議員の不倫が発覚。玉木代表よりも重い“無期限の党員資格停止”に(左・HPより、右・時事通信フォト)
【偽名不倫騒動】下半身スキャンダル相次ぐ国民民主党「フランクで好感を持たれている」新人議員の不倫 即座に玉木代表よりも重い“無期限の党員資格停止”になった理由は
NEWSポストセブン
ライブ配信中に、東京都・高田馬場の路上で刺され亡くなった佐藤愛里さん(22)。事件前後に流れ続けた映像は、犯行の生々しい一幕をとらえていた(友人提供)
《22歳女性ライバー最上あいさん刺殺》「葬式もお別れ会もなく…」友人が語る“事件後の悲劇”「イベントさえなければ、まだ生きていたのかな」
NEWSポストセブン
東京高等裁判所
「死刑判決前は食事が喉を通らず」「暴力団員の裁判は誠に恐い」 “冷静沈着”な裁判官の“リアルすぎるお悩み”を告白《知られざる法廷の裏側》
NEWSポストセブン
永野芽郁
《永野芽郁、田中圭とテキーラの夜》「隣に座って親しげに耳打ち」目撃されていた都内バーでの「仲間飲み」、懸念されていた「近すぎる距離感」
NEWSポストセブン
18年間ワキ毛を生やし続けるグラドル・しーちゃん
「女性のムダ毛処理って必要ですか?」18年間ワキ毛を生やし続けるグラドル・しーちゃん(40)が語った“剃らない選択”のきっかけ
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《田中圭に永野芽郁との不倫報道》元タレント妻は失望…“自宅に他の女性を連れ込まれる”衝撃「もっとモテたい、遊びたい」と語った結婚エピソード
NEWSポストセブン