季節の変わりめで、のどの痛みを訴える人が増えている。とくに注意したいのが、「のど風邪」と「咳喘息」だ。離婚騒動渦中のダルビッシュ紗栄子もブログで「咳喘息でした」と綴っていたが、「咳喘息? 初耳」という人も多いはず。実際、「東京ボイスクリニック品川耳鼻咽喉科」の楠山敏行院長によれば「正式な医学用語ではない」という。最近になって急増している症状ということで、便宜的にそう呼ぶようになったようだ。
その症状だが、この咳喘息の可能性が高いと診断され、投薬治療を受けられていることを9月に発表されている皇后美智子さまの場合は「乾いた咳が続く状態」。悪化すると気管支喘息になる可能性を宮内庁が発表している。
実はのど風邪がきっかけで咳喘息になる人も多い。発熱など風邪の諸症状は治ったのに、咳だけは数週間たっても続いたままという状態。咳止め薬をのんでも効かず、冷たい空気を吸っただけで咳込む、激しい咳で夜も眠れないなどの症状に悩む。風邪を放置しておくと本格的な咳喘息へ、ということも考えられるのだ。
ではなぜ、この季節にのどを痛めることが多いのだろう。それは湿度の問題。冬、とくに太平洋側は乾燥したカラカラ天気が続くことが原因だ。楠山院長はこう話す。
「のどの表面は繊毛と2層の粘液で覆われています。のどに付着したウイルスは、この繊毛の動きで胃に運ばれて殺されるのです。ところが空気が乾燥し、のどの湿度も下がってしまうと、粘液の粘り気が強くなるため、繊毛の動きが鈍ってしまいます。この結果、のどで止まったままのウイルスが増殖してしまい、風邪などにかかりやすくなってしまうのです」
のどのカラカラ防止こそ、風邪や咳喘息対策の第一歩となりそうだ。
※女性セブン2010年12月2日号