国際情報

中国貧困層の子供 下半身に墨を塗り「ズボン」としてごまかす

 急成長の陰で、様々な矛盾を内包する中国。特に、政権の存立基盤を覆すほど大きな問題に発展しかねないのが「民主化圧力」に加えて「格差問題」だ。かつて天安門事件のスクープ報道で脚光を浴びた国際教養大学教授のウィリー・ラム氏は、習近平氏はこの「2つの爆弾」を抱え込んでスタートする、と指摘する。

******************************
 民主化を要求しているのは主に知識人であり、都市部の住民と言ってもよいが、一方で、中国の全人口の6割を占める農村部住民と都市部の深刻な「格差」も、新政権を揺るがす大きな火種となりうる。

 中国の都市部では昨年末時点で、1000万元(約1億2000万円)の資産を持つ富裕層が32万人おり、この1年足らずで資産10億元(約120億円)の大富豪が250人も誕生したほど、バブル経済が活況を呈している。

 その反面、中国では1日1ドル以下で生活する貧困層は約1億人。その数は、近い将来2億人と倍増することが予想されるという。農民の子供の中には、衣服がなく、下半身に墨を塗って「ズボン」としてごまかしている者がいるほどの貧困ぶりだ。

 しかし、地方の政府はそのような農民から道路税や農業用水税などの名目で何重にも税金をかけて、払えない場合は道路工事などの労働を科すなど、封建時代さながらの苛斂誅求が現在も横行している。

 また都市部に働きに出る出稼ぎ労働者が悪徳建設業者から給料を払ってもらえないケースもままあり、怒った農民や労働者がストやデモをするなどの集団での暴動は、年間10万件以上に上るとされる。
(翻訳・構成/相馬勝)

※SAPIO2010年11月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン