民主党最高顧問の渡部恒三氏は1932年福島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1959年福島県議会議員選挙で初当選、1969年に国政に転じ、14期衆議院議員を務める。厚生大臣、自治大臣、通商産業大臣などを歴任し、現在は民主党最高顧問。2003年には勲一等旭日大綬章を受章している。渡部氏は自らの母を語るなかで、こう明かした。
******************************
大家族で食卓を囲むのは、それは賑やかで楽しかった。子供たちも手伝いをして、すり鉢で山芋をするのが私の担当でした。
大好きだったのは「卵かけご飯」です。私の子供時代、卵は貴重品で風邪を引いたり病気になったときくらいしか食べることができません。卵一つで一膳のご飯というのはもったいないので、醤油を真っ黒になるくらいかけて3膳に分けて食べたものです(笑い)。
今でも時々、無性に食べたくなる時がある。お袋の味は一生忘れられません。
政治家になってからは、母をどこにも連れて行けず、美味しい物を食べさせることもできなかった。それが心残りです。母の葬式の際、しみじみ思いましたね。
※週刊ポスト2010年11月26日・12月3日号