新語アナリストの亀井肇氏が、これから世の中に浸透しそうな言葉を先取り紹介。「リケジョ(Girl Majoring in Science)」という言葉を同氏は紹介しているが、これについて解説する。
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【定義】漢字で書くと「理系女」つまり「理科系学部女子学生」。
【獲得合戦】理系学部への入学を希望する女子学生は少ない。このため、各大学とも女子学生獲得のために、女子高生限定の説明会を開いたり、キャンパス体験を催したりして、女子学生たちの理系学部に抱いているイメージを変えようと努力している。
【サイエンス・エンジェル】東北大学では理系の女子大学院生を「サイエンス・エンジェル」と名付け、オープンキャンパスでの説明や、科学イベントを催したりしている。
【施設改善】神奈川工科大学では、トイレに化粧のためのパウダーコーナーを設けたり、女性専用ロッカー室やシャワー室、仮眠用ソファーなどの施設をつくっている。90年代後半に「工学系学部は就職に有利」と言われ、女子学生が増えたことで対応した。
【少子化】理系学部で女子学生を獲得することに各大学が躍起なのは、少子化に伴う18歳人口の減少で、男子学生だけでは学生が集まりにくくなるという予測からである。
【理系は男のもの】リケジョの数が少ないのは「理系は男のもの、女は文系に」という意識が中学、高校の教師にあり、進路指導に問題があるのではないか、と指摘する声もある。
【蛇足】大学卒業後の職場環境も改善する必要がある。
※SAPIO2010年11月24日号