プロ野球界きっての名将・野村克也のリーダー哲学を、論語とともに読み解いた『野村の実践「論語」』(小学館刊)が上梓された。リーダー哲学の言葉を野村氏自身が解説した。野村氏の「言葉」とそれにまつわる解説を見てみよう。
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【野村の言葉:「権威を振りかざし、威張っても人はついて来ない」】
「私は理をもって戦うタイプだが、なかには恐怖をもって戦う監督がいる。 軍隊式あるいは軍国主義を踏襲したリーダーシップです。多種多様のリーダーが存在するのは当然ながら、しかし恐怖と強制の軍隊式がいまのこの時代に合うか心配です。
親にも殴られたことのない時代に育った若者が、〈殴られる〉〈怒られる〉〈どなられる〉恐怖の中で、おのれを見失わずにいられるか。
楽天の監督に星野仙一氏が就任しましたが、彼はまさにこのタイプ。果たして楽天になじむかどうか。しかし、草食系といわれる時代だ。案外に、軍隊式でぴりっとするのかもしれない。優れた采配を期待してます」
※週刊ポスト2010年12月10日号