ラブホテルと一般ホテルの違いなど利用者にはよく分からないところだが、通常、ラブホテルは警察庁所管の風営法、一般のホテルは厚労省所管の旅館業法で定められている。前者には営業禁止区域があり、各自治体による規制がかかる。しかしその境界はあいまいで、一般ホテルとして計画書を提出後、実際にラブホテルとして営業する“類似ラブホテル”も多いという。
しかしこうした状況に、警察庁が「児童買春等の犯行場所となるなど少年の健全育成に支障を来たしている」と規制に乗り出し、今年7月に風営法の改正が決まった。今後はラブホテルを定義する要件が増えるため、「禁止区域内の類似ラブホテルが一般ホテルとして営業を続けるには、大がかりな改装が必要。類似ラブホテルとしての営業はできなくなります」(ラブホテル経営に詳しいコンサルタント・山内和美氏)
だが、警察庁が掲げる「児童買春・売春の撲滅」が実現するかは怪しいものだ。法改正に際して警察庁は、「児童買春等の犯行場所は、類似ラブホテルの方が届け出のあるラブホテルより多く、問題化している」と説明したが、業界関係者はこれを一笑に付す。大阪のラブホテル経営者の話。
「レンタルルームやネットカフェなど、援助交際の場が変わるだけです。そもそも、“学校の近くにあるラブホが犯罪の温床”という発想が大間違い。女子高生が自分の学校の近くのホテルを利用するわけがないでしょう(苦笑)」
現実を知らない役人の浅知恵など、エンコー女子高生も笑っている。
※週刊ポスト2010年12月10日号