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北京で囁かれている江沢民重篤説「江氏の病状はかなり重い」

 習近平が着実に軍の掌握を進める中で、ある噂が北京を駆け巡っている。天安門事件のスクープ報道で知られるジャーナリストで、国際教養大学教授のウィリー・ラム氏が解説する。

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 今、北京でかなりの確度をもって囁かれているのが、江沢民・前国家主席の重篤説だ。江氏は6月に北京で観劇をしたと伝えられてから、その後の動静報道がない。地元・上海で開催された万博にも姿を見せなかった。上海万博開催は江氏の念願であり、自身が現役時代に誘致したにもかかわらずだ。このため、「江氏の病状はかなり重い」(北京の外交筋)との見方が強い。

 このような中、10月中旬の党中央委員会総会で党中央軍事委副主席に選出され、次期最高指導者の座を確実にした習近平・国家副主席と軍をめぐる動きが慌ただしい。
 習氏は10月25日、朝鮮戦争への中国義勇軍参戦60周年を祝う記念行事に参加し、軍事委副主席選出後、初めて公の場で軍の活動を行なった。その2日後の27日には国防大学の党代表大会に出席し、初めて軍服姿を披露した。

 北京の中国筋が指摘する。

「習氏は親しい軍幹部によるプライベートな歓迎会に連日出席しており、現在でも軍に影響力がある江氏に代わって軍権掌握を加速している」

 習氏は江氏と親しく、江氏ら上海閥と緊密な関係を維持する軍幹部とも気脈を通じており、同筋は「軍内で習近平閥が形成されつつある」と明らかにする。

※SAPIO2010年12月15日号

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