国内

骨髄バンクが規制を緩和 白血病治療への新たな道が拓かれる

 白血病や再生不良性貧血などの治療には造血幹細胞移植が有効だ。骨髄バンクでは骨髄移植に加え、10月、血縁者間に限定されていた末梢血幹細胞移植が、家族以外のドナーにも解禁された。

 腕や大腿の静脈から幹細胞を採取し患者に移植する方法で、事前に幹細胞を増やす薬剤を投与するため数日間の入院が必要だが、骨髄移植のように全身麻酔の必要はなく、ドナーの負担も軽減される。

 白血病など血液のがんや再生不良性貧血の効果的治療として、造血幹細胞移植が実施される。移植には骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植があり、家族が直接患者に提供する以外は、ドナー(提供者)も患者も骨髄移植推進財団(骨髄バンク)に登録し仲介してもらうのが一般的だ。

 移植には白血球の型(HLA)が一致する必要があるが、家族(兄弟・姉妹)間で、約25%、家族以外でも数百人から数万人に一人の確率で一致するため、骨髄バンクではドナーと患者、お互いの情報がわからないように配慮してマッチングしている。

 NTT東日本関東病院予防医学センターの浦部晶夫所長の話。

「骨髄移植は骨髄で作っている造血細胞を採取する方法です。しかし全身麻酔で腸骨に針を刺し、医師がかなり強力に吸引するため、ドナーに覚醒後痛みが出ることもあります。現在では家族がドナーの場合は、麻酔の必要のない末梢血幹細胞移植を実施する例が多くなっています」

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2010年12月10日号

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