「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないが、「不況になれば不倫が増える」と唱えるのがエコノミストの門倉貴史氏である。しかも、今、これを商機ととらえ「不倫ビジネス」なるものが百花繚乱の様相だという。
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インターネットと携帯電話を利用した意外なビジネスが、相手が不倫するかどうかを調査する「ブラックメール代行業」だ。日常化する不倫は自分の配偶者への疑心暗鬼につながる。そういう人の心の整理をしようというのだ。
ブラックメール代行業者は「出会い系サイト」などを活用し、依頼者の配偶者(あるいは恋人)が誘惑に負けてしまうタイプかどうかを、誘惑メールを送って確かめてくれる。誘惑メールに乗ってくるようならば夫婦関係を見直すきっかけとなり、乗ってこなければ信頼関係がより強まることになるというわけだ。
その他にも、不倫の恩恵を受けるビジネスは数多い。
「アリバイ会社」などというものもある。配偶者に不倫していることがバレないように、友人のふりをして口裏を合わせるなど、証拠づくり、アリバイづくりをしてくれるのだ。
※SAPIO2010年12月15日号