生命保険文化センターによると、1世帯あたりが年間に支払う保険料は平均45.4万円で、月々にして約3 万8000円。これを30歳から60歳まで払い続けると、1300万円を超える。最新の保険選びに精通する財務支援研究所の廣田貴史氏が、従来の「保険の常識」を疑い、この巨大な出費にアドバイスを送る。
「保険料は月々たったの○○円で一生涯にわたって保障。しかも掛け捨てじゃない」などと宣伝する保険会社のテレビコマーシャルが目立つ。だが、一般に保険期間の長い終身医療保険は、定期医療保険よりも保険料は割高になる。しかし、そこまでして終身に加入することは必要なのだろうか。
現行の公的医療保険制度では、基本的に75歳までの医療費の自己負担は3割で、75歳以上は「後期高齢者医療制度」によって1割負担となる。また、医療費がかさめば、高額療養費制度もある。つまり、医療保険は3割負担である75歳までをカバーする定期で十分なのだ。
「終身医療保険で、高額な医療費に生涯を通じて備える」は、もう旧常識。新常識は、「75歳までの掛け捨ての定期保険にして保険料をカット」だ。
※週刊ポスト2010年12月10日号