急成長中の新興国といえば「BRICs」(ブラジル、ロシア、インド、中国)がよく知られている。しかし、公的年金に不安を抱える世代が、リタイアに向けて10~20年というスパンで個人年金投資を考えるなら、まだ成長のピークを迎えていない「遅咲き新興国」を狙ってはどうか。
40代から自己年金投資を始めるなら、運用のスパンは10~20年の長期投資になる。短期の相場変動を度外視し、20年後の高成長を見込む投資対象となれば、必然的に新興国投資に目が向くだろう。しかしBRICs市場はすでに過熱気味なため、その次に続く成長国を見極めたい。そこでBRICs経済研究所代表の門倉貴史氏がピックアップしたのが、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの4か国である。
【1】今後の内需拡大につながる人口の増加スピード
【2】購買力や購買意欲を持つ中産階級の台頭
【3】インフラ整備などのための外国資本の積極的な導入
【4】豊富な資源
【5】政情の安定
という5つの条件をどれだけ満たしているかが判断のポイントです」(門倉氏)。中でも人口増加率は重要だ。過去、日本でも日経平均株価が最高値を付けた1989年末は、労働人口がピークを迎えた時期で、一般に株価上昇のピークは労働人口のピークに一致する傾向がある。
政情不安などのリスクは考慮しなければならないが、豊かなセカンドライフの構築のためには、これらの国々の「爆発力」を無視することはできない。
※週刊ポスト2010年12月10日号