『野村の実践「論語」』(小学館刊)を上梓した野村克也氏が、来シーズンの期待の新人について語った。
「斎藤佑樹くんはしっかりしたイメージがありますね。しゃべり方、談話の題材、行動、なにげない仕草、マー君とは明らかに違う。
しかしよくいえば完成品、悪くいえば小さくまとまっている。伸びしろは、西武にドラフト1位指名を受けた大石達也の方があるのではないか。
斎藤はヤクルトの荒木大輔の印象です。特徴がない。しいていえばコントロールだが、速い球も鋭い変化球もない。三振は、すべて変化球。大学生相手にストレートで空振りが取れないのは、気になります。
プロ野球の一軍と二軍の差は、打者は変化球の対応ができること、投手はいいコントロールを持っている。そのうえフォークのような打者が嫌がる球種をひとつ以上持っていること。もちろんいちばん嫌がるのは快速球を投げられること」
※週刊ポスト2010年12月10日号