寒い冬にはどうしても食べたくなる「温かいうどん」。ということで、今回は、雑誌『アリガット』元編集長・小川フミオ氏がセレクトした『豊前房』(東京・目黒区)の「豊前房うどん」を紹介します!
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うどんが恋しくなる季節だ。湯気とともに出汁の香りをかぐときの幸せな気持ち。なにものにも代え難い。ただ、うどんは地域性が強くて、東京といえども食べられる種類が限られている。
東京・中目黒の『豊前房』は、九州出身のオーナーの店。嬉しいことに、うまい関西風うどんが堪能できる。いりこと昆布の出汁によるつゆは上品な風味で、うどんは比較的やわらか。この個性が魅力。やさしい味に惹かれて東京の人たちも足繁く通っている。
看板料理の「豊前房うどん」はさらに楽しい。南禅寺の京揚げと、函館でとれる「がごめ昆布」を秋田の職人が丁寧に削いだおぼろ昆布、下関のやわらかなちくわとかまぼこ、それに、軽く炙ったさつま揚げがぜいたくにのる。誰もがつゆを最後の一滴まで飲み干す。味わい深い、幸福なうどんだ。
■『豊前房』の「豊前房うどん」 997円
【住所】東京都目黒区東山1-11-15
【電話番号】03-3710-5425
【営業時間】11時45分~14時半(LO)、ランチは日祝休み、18~24時(LO)、日祝は23時(LO)
【定休日】月
【カード】不可
現オーナー・佐藤克明さんのお父さんが「うまいうどんが食べたい」と始めたお店。温かいうどん、冷たいうどんとバリエーションは豊富。「かけうどん(735円)」を始め、とろみのついた「しょうがうどん(840円)」などが人気。九州の人は「丸天うどん(840円)」や「ゴボ天うどん(840円)」も好むそう。冬はカレーうどんも登場する。夜は日本酒と酒肴も揃う
撮影■河野公俊
※週刊ポスト2010年12月10日号