海上自衛隊にはSBU(特別警備隊)という特殊部隊が存在する。その能力の高さには米軍も驚くが、この最強部隊が有効に使われていないと、ジャーナリスト笹川英夫氏は指摘する。同士がその問題点を報告する。
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海上自衛隊には、陸上自衛隊の中央即応集団のような組織がない。ゆえに尖閣諸島で何か問題が起こっても、陸自の「西部方面普通科連隊」(対テロ部隊の必要から02年創設されたレンジャー小隊)は出動するが、海自の特殊部隊「SBU」は待機するままで宝の持ち腐れになっている。相手国にしてみれば、海上保安庁が出てきても、何の抑止力にもならない。
日本には、諸外国も認める、精鋭の特殊部隊はあるのだ。だがそれを有効に使えていない。陸自、海自、空自、といった枠を取り払い、すべての特殊部隊を束ねる「中央即応集団」をつくることこそ、急務なのだ。そして、アメリカを始め、中国や韓国もそうであるように、特殊部隊の実力を公開することで、抑止力とするべきだろう。
でなければ、たとえ尖閣諸島が不法占拠されたとしても、指をくわえて見ているだけ、ということにもなりかねないのである。
※SAPIO2010年12月15日号