日本就航のローコストキャリア(以下「LCC」)は6社。「羽田~クアラルンプール1万円」(エアアジアX マレーシア)、「茨城~上海8000円」(春秋航空 中国)など、大手と比べると2~8割の低価格だという。航空アナリストの鳥海高太朗氏が解説してくれた。
「LCCは予約日ごとに運賃が細かく設定される。搭乗日間近でも乗客が少ない、またはキャリアが知名度を高めたい時などはバーゲン価格が適用される。その場合、上海まで4000円(春秋航空)、マレーシアも5000円(エアアジアX)で搭乗できることもある」
驚きの低価格は、徹底的なコストカットから生まれているという。再び鳥海氏。
「チケットは旅行会社を通さずネット直販にして中間マージンを削減している。さらに飛行機を単一機に統一して機材費や整備費を抑える、空港到着から次の出発までの時間を短縮化して稼働率を高める、といった工夫が重ねられています」
到着してから折り返し飛行まで25分というLCCも珍しくない。そのため乗客が降り切る前からCAがトイレ掃除をする場合もある。
「搭乗をなるべく簡素化してサービスを有料化する。例えば機内食は原則有料です。『ライアンエアー』(アイルランド)ではゴミ清掃を手軽にするという目的で座席のテーブルも撤去され、トイレの有料化も検討されているそうです」(同前)
もちろん人件費も削減される。チケット事務を執り行なう空港支店長が整備士を兼ねる例まであるという。
※週刊ポスト2010年12月17日号