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「花や果物は使い回し。無縁仏の葬儀は儲かる」と葬祭業者

 遺体の引き取り先のない孤独死や、警察や自治体で調査しても身元が判明しなかった「行旅死亡人」の数は、全国で年間3万2000人に及ぶとされる。こうしたいわゆる無縁仏はどのように処理されるのだろうか。

 火葬場の小部屋に安置されている遺体が納められた棺。枕元の左右には造花と作り物の果物、傍らのテーブルには何も書かれていない位牌が置かれる。もちろん読経はなく、手を合わせる参列者は葬儀社の社員だけ――。

 これが「無縁仏」の葬儀風景だ。中には、火葬場の一画に遺体が置かれ、火葬炉に空きができた時に焼かれていくだけ、という場合もあるという。では、こうした無縁仏の葬儀費用はどうなっているのか。
 
 身寄りのない人が亡くなった場合、生活保護を受けている人に準じて葬儀費用が自治体から出されるのが一般的だ。

「身寄りがない遺骨は、最低1年間は火葬場の中の保管場所で預かった上で、その後は大阪市設南霊園にある無縁堂に納骨します。葬祭費用は生活保護法を適用して支払われ、上限が決まっています」(大阪市環境局事業部)
 
 大阪市の場合、生活保護世帯の葬祭費用は「20万1000円以内」と決められている(東京では市区町村によって異なり、約15万~20万円)。市から委託された業者は、その金額の範囲内で葬儀、埋葬を行なう。葬儀社関係者が明かす。

「どんな葬儀でも自治体からもらえる額は決まっているので、花や果物などの供物は模造品を使い回し、保存のためのドライアイスも使わない。できるだけ安上がりにして儲けを出すのです」

※週刊ポスト2010年12月17日号

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