軍備拡張を続ける中国に対し、我が国の自衛隊の「実力」はどうか。軍事ジャーナリストの井上和彦氏が、実は世界最高レベルにある自衛隊「最新装備」を紹介する。
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海上自衛隊は、強大化する中国海軍に対抗すべく、現有16隻の潜水艦を20隻に増強する計画だ。その中心を担う世界最大の通常型潜水艦「そうりゅう」型は、間違いなく中国海軍にとって最大の脅威となる。現時点では中国海軍の対潜能力が低く、海自潜水艦に対抗することができない。海自潜水艦が東シナ海を遊弋するだけで中国艦隊は港に足止めを食らうことになる。
そして忘れてはならないのが海自航空部隊だ。その主力が「P3C哨戒機」である。
海自は、哨戒・対潜能力では世界最高性能を誇るP3Cを90機も保有し、しかもその海自自衛官の練度は、米海軍を上回っている。
米ソ冷戦期には、海自P3C部隊の主要任務の一つが、ソ連太平洋艦隊を日本周辺海域で殲滅することだった。ソ連の潜水艦隊を相手に対潜能力の向上に努めた結果、世界一の対潜能力を持つに至った。
現在、後継機となる国産の「P1哨戒機」の配備が始まっている。この新鋭哨戒機は、ターボファンエンジンを4発搭載しており、いち早く哨戒海域に到達し、広域の哨戒を行なうことができる。またP3Cに比べて高性能の搭載電子機器を搭載するなど、その哨戒・対潜能力は向上しており、中国潜水艦部隊は丸裸にされるだろう。
※SAPIO2010年12月15日号