「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないが、「不況になれば不倫が増える」と唱えるのがエコノミストの門倉貴史氏である。しかも、今、これを商機ととらえ「不倫ビジネス」なるものが百花繚乱の様相だという。
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「占い」も最近では不倫相談が増えているという。他人に言えぬ不倫の悩みを「占い師」に聞いてもらって心のモヤモヤを発散させる。占い市場の規模は今や右肩上がりの5000億円と推定され、不倫が大いに貢献しているようだ。
また、不倫カップルが密かに訪れる鄙びた温泉旅館、神社などの「パワースポット」とその周辺の旅館・ホテル、そして「相手の男性に気に入られたい」と願う女性による美容整形なども不倫の恩恵を受けている。
私が様々な調査やデータを積み上げて試算したところによると、不倫に直接的に関わるビジネスの市場は現在、総額4兆円規模にも膨れ上がっている。この総額には、夫婦関係が破綻した時の慰謝料なども含まれているが、日本のGDP (国内総生産)を500兆円規模とすれば、その1%弱を不倫ビジネスが占めている計算になる。
しかし、不倫は道徳的・倫理的に決して勧められるものではない。発覚すれば配偶者から多額の慰謝料を請求されるなど経済的視点から見ても極めてリスクの高い行為であることを断わっておく。
※SAPIO2010年12月15日号