夫婦のかたちも様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが漫談家の綾小路きみまろに、メールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、テレビ番組の料理コーナーに影響される奥様(38歳)と、印刷会社勤務のご主人(38歳)のケースだ。
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テレビ番組『お願い!ランキング』の「ちょい足しグルメ」コーナーが人気ですよね。例えば、マルちゃんの「赤いきつね」にトマトジュースを100ミリリットル加えるとミネストローネ風味になるとかで、それがすごく美味しいらしいんですが、ウチの女房の場合は完全にやり過ぎです。
僕がビールを飲もうとすると、「日本酒ハイボールって話題になってるじゃない。日本酒ビールもいけると思うわよ」というなり、ビールの入ったグラスにお酒を継ぎ足したんです。でも一口飲んで思わず吐き出してしまった僕。全然美味しくないっつーの!
女房には朝食の時から要注意で、ホットミルクを飲もうとしたら、変な食感が。「な、何だ?」「それ? たくあんを細かく切って入れてみたの。コーンスープの味がするでしょ?」いつもこんな調子です。
グラタンを出された時も「な、何だ?」「うどんにヨーグルトを混ぜてみたの」。た、頼む! 素直にグラタンを出してくれ!「じゃあ、お口直しに、ヨーカンをバターでコーティングしたスイートポテト!」やめてくれー。
自分で創意工夫するのか、それともネットとかで調べているのかは分からないんですけど、何かを足すのにはいい加減、うんざりです。
※週刊ポスト2010年12月17日号