支持率の低下が止まらず窮地に陥った菅首相が、党内の反対派を追放するために解散・総選挙を打ち、野党やメディアがそれに丸乗りするなら、5年前の郵政解散の“悪夢”の再現となるだろう。
みんなの党の渡辺喜美代表はこう展開を読む。
「菅首相は自民党との連立を考えるだろうが、失敗に終わる可能性が高い。そうなると、仙谷氏ら反小沢派が今度は代表に前原誠司氏を担いで総理のクビをすげかえに動くのではないか。支持基盤に見離されたら菅首相も解散はできない。民主党は代表選に突入し、分裂する。すると、前原グループと自民党が連立を組む可能性がある」
小沢氏はかつて自民党を飛び出した後、野党連合をまとめて誰も予想しなかった細川政権をつくった。政界が混乱するほど、今度は経験不足の民主党議員ではなく、国民新党の亀井静香・代表や渡辺氏、あるいは自民党から思いがけない総理候補を引き抜いて総選挙を闘うかもしれない。
いずれにせよ、与野党が国民に政権の選択肢をはっきりさせ、政権を取ればどんな政策をやるのかを具体的に示すのならば、破れかぶれであれ何であれ、国民は「解散上等!」である。
※週刊ポスト2010年12月17日号