探偵たちの「不倫現場の押さえ方」が進化している。「絶対に許さない」…妻から探偵会社の分厚い報告書を突きつけられ、夫は下を向くしかない。ジャーナリストの沢野竜一氏が、恐るべき探偵の調査力をレポートする。
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どんな時に妻(夫)たちは、探偵事務所に駆け込むのか。探偵業35年のベテラン、東京経営調査(東京)の高橋新治社長が解説する。
「まず週2回求めていたのが、最近では月1回に減ったとか、この頃、構ってくれなくなったといった、配偶者の『変調』に気づくところから始まるケースがやっぱり一番多いですね。そのうち帰宅時間が遅くなったり、金遣いが荒くなったり、服装が派手になるなど、生活のリズムの『乱れ』が目につくようになると、疑念はさらに深まっていきます」
最近では携帯電話のメールや着信履歴から不倫がバレるケースが最も多いと、高橋氏は言う。休日出勤や残業、接待ゴルフと称して、実は不倫相手とデートしていた、などというのはよくあるパターンだ。
そんな時、GPSが威力を発揮する。探偵歴20年の平松直哉・平松総合調査事務所代表(大阪)の話。
「調査対象者の運転する車の底の鉄板やナンバープレートの後ろに、磁石やマジックテープで取り付けます。会社のオフィスやゴルフ場に行くはずなのに、車が逆の方向に走っていれば、すぐにおかしいと分かる。ただし第三者が設置するのはプライバシーの関係で問題なので、依頼者であり、車の共同所有者でもある妻(夫)に貸し出して、取り付けてもらいます」
GPS機能を搭載した携帯電話も浮気探索に欠かせないツールの1つだ。神奈川県の探偵会社が明かす。
「例えば『今使っている携帯は古くなったから、新しい機種に取り替えれば?』とか言って、GPS機能付きの携帯電話を夫(妻)に買い与える。実はそれに、子供や認知症で徘徊する老人のために使うような位置確認サービスも契約しておく、というわけです」
不倫相手と人目を忍んで密会しているつもりが、自宅のパソコンですべて監視されているというわけだ。
※SAPIO2010年12月15日号