今、お得な情報に敏感な層の間で、「グルーポン」「共同購入型クーポン」といったキーワードが話題となっている。飲食店やエステなどの利用券が半額程度で手に入るという「クーポン事前販売サイト」のことだ。
たとえば人気の飲食店で6000円のコース料理が半額の3000円で食べられるといった激安クーポンを、100枚など枚数を限定して連日販売しているのだ。
クーポンを提供する店側は、商品を本来の価格の半額相当で販売しなければならないうえ、サイト側に手数料も支払う。それでは店が大損するのではないか、と心配する人もいるだろう。
しかし、店側にとってクーポンを発行するメリットは意外に大きい。 新規の顧客を呼び込むことができるし、多くのクーポンの中で埋もれてしまいがちなフリーペーパーと違って、ひとつのサイトで同時期に掲載されるクーポンは、ひとつのエリアあたり1店が普通なので非常に目立つ。
また、繁忙期のクーポン利用を制限したり、平日や空いている時間に限定することも可能なので、アイドルタイムの有効活用にもつながる。
そして何より、見のがせないのがその宣伝効果だ。クーポン事前販売サイトでは購入希望者が一定の人数に達しなければ取引が成立せず、クーポンは発行されない。だから激安クーポンが欲しい客は、ツイッターなどのソーシャルメディアを使って宣伝するのだ。もちろん、お得な情報を友人知人に伝えたいという人も同様に宣伝をする。
こうした口コミ情報は瞬く間に広がり、多くの人の目に触れる。利用者が自らタダで宣伝活動をしてくれるので、インターネットや各種の媒体で広告を出すよりもコストパフォーマンスとしては優れていることが多く、プロモーションとしては決して高くはないのだ。
※マネーポスト2011年1月号