いざとなれば自らの生命を危険に晒して、日本の防衛に当たる自衛隊員たち。しかし、我が国の防人たち23万人の日常を我々はあまりに知らないのではないか。組織内における出世やカネ、家庭生活における悩み。そしてそれらを乗り越えていくモチベーション……。国防を考える時、まず現実の自衛隊を直視したい。
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自衛官の場合、幹部なら基地の外に住めるが、曹長以下は原則、基地内の営舎(寮)住まい。 結婚している場合は、基地の外の官舎に住むことになるため、門限も厳しく自由のない営舎から出たい。ということで、男性自衛官は彼女ゲットに躍起になる。
基地で地元を巻き込んだお祭りや行事を頻繁に行なうのは、自衛隊のPRというだけでなく、隊員たちの「出会いの場」のセッティングという意味合いもあるようだ。ちなみに海上自衛官の夫を持ち、マンガ『突撃! 自衛官妻』の著者・日辻彩氏の出会いは、地元のお祭りだったとか。自衛官は「出会いが少ない」からこそ、積極的に口説く肉食系の割合が非常に多い、という話もよく聞く。
防衛省が編集協力する自衛隊情報誌『MAMOR(マモル)』でも「結婚」がいちばんの話題。当誌の人気コーナーは、今年3月号から始まった『マモルの婚活』。男女を問わず、独身自衛官が写真&メッセージで自分をアピールする。
所属部署や学歴、年収、貯蓄額などのプロフィールから欲しい子供の人数や今までの交際人数、恋人いない歴などのアンケートを参考に、読者が気に入った人に応募すると、編集部がきっちり橋渡しをしてくれるのだ。
最近では、自衛隊員も少しずつオシャレになってきているが、それでも前出の日辻氏は、「自衛官は見た目でわかる」という。
「ロン毛も茶髪も禁止で、皆、短髪。刈り上げか角刈り。基地近くの理容室は客のほとんどが自衛官です。最近は、サッカーの本田圭佑選手のような、オシャレな短髪も増えましたが、雰囲気はなぜか似通っているんです」
※SAPIO2010年12月15日号