FX(外国為替証拠金取引)で8億円を稼いだカリスマ主婦として知られる池辺雪子氏は、今後の為替相場を「長期円安トレンドへの転換」と予想している。池辺氏は語る。
「私は、11年のドルの高値を、90円から95円程度と予想しています。この年末から来年初めにかけて、トレンド転換が徐々にはっきりしてくるでしょう。円が70円台まで上がるリスクはほとんどないのではないでしょうか。ただし、2011年3月には、日本企業の決算があるので、海外の売り上げで獲得した外貨を国内へ資金還流させる円買い需要が発生するため、一時的に円高となるでしょうが、それは短期間に過ぎないと思います」
いま、長期円安トレンドの入口に立っているとするなら、ほぼすべての個人投資家に、FXは大きなチャンスをもたらしているといえる。池辺氏は力を込めて続ける。
「ゼロ金利の日本で、定期預金をしていても意味がない。それなら、外貨預金の感覚で米ドル1枚(1万ドル)をロングしておくだけでも、運用面での資金効率は圧倒的によくなります」
仮に、レバレッジ1倍で1ドル=85円でドルを買い、90円で売却するだけで、5万円の利益が出る。投資利回りは約5.9%だ。これがレバレッジ10倍(元本は8万5000円)になると、投資利回りは約59%になる。
「南アフリカのランド(金利6.5%)やオーストラリアの豪ドル(金利4.75%)を買えば、さらに高い金利がつきます。これらの国は資源国なので、通貨も強いと考えています」
8月から導入された「レバレッジ規制」も大きな問題ではないという。11年7月末まではレバレッジの上限は50倍、それ以降は25倍に引き下げられるが、
「どうしても高いレバレッジでやりたい人は、法人口座を開いたり、海外のFX業者で取引するなど、個別に対応しているようです。ただし、FXで大切なのはレバレッジよりも、自分が投資できる資金はいくらなのか、許容できる損失額はどのくらいか、といった資金管理。それさえきちんとできていれば、効率的な投資は可能。レバレッジ倍率は関係ないはずです」
※マネーポスト2011年1月号