ライフ

団地妻相手の悪徳羽毛布団商法 業者は裁判起こさないと思え

「以前布団を買った業者に、残っている商品を買い取るよういわれています」…そんな相談が、弁護士の竹下正己氏に寄せられた。

【質問】
 数年前に、団地でだまされて羽毛布団を購入しました。そのときの業者が電話で、「以前の羽毛が会社に残っているから、買い取ってくれないと困る」といってきました。断わると、「用紙に住所と名前を書けば、今回で契約はなくなる」といわれました。まただまされそうで不安です。アドバイスをください。
 
【回答】
 弱い人は何回でも狙われます。そんな電話の相手にならないことです。電話が執拗であれば警察に相談してください。

 ご相談の事情ですが、数年前に羽毛布団を買い、そのときに他にも買う約束をした羽毛があり、業者に預けっぱなしにしているといわれているのでしょうか。買ったか、買う約束をした商品を、一般消費者が業者に預けるということは、ありえないことです。そんな契約は通常ないはずです。換言すれば、業者のいい分は事実ではないと思います。

 あなたにもその記憶がないようですから、団地に住む主婦をターゲットにした悪徳商法の一種と考えられます。以前もだまされたということであれば、警察や消費者相談の窓口に相談するのがベストです。

 仮に、数年前の布団購入時に、あなたが羽毛まで買う契約書を取り交わしていたとすれば、次のようなことだと思います。

 自宅で訪問販売にあった場合、特定商取引法の適用があり、一定の事項を記載した法定文書をもらっていなければ、クーリングオフして、契約の取り消しが可能です。

 以前は「羽毛」自体は規制対象ではありませんでしたが、“だまされ方”で争えます。例えば、羽毛布団を購入する動機になった重要な効用について、事実に反する誇大宣伝をされ、それを信用したのであれば、そのことに気がついてから申し込み6か月が経過するまでは、消費者契約法で契約の取り消しが可能です。

 さらに、悪質な場合は詐欺として、契約の取り消しもできます。こうした業者が裁判を起こしてくるとは思えません。無視することが一番です。ほかにも数多くの被害者がいるはずです。警察や国民生活センターなどに照会すれば確認でき、その悪質さも明らかになるでしょう。

※週刊ポスト2010年12月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン