昼間働いている人にとって、モバイルトレードは便利な存在。移動中に株価や為替をチェックしたり、ちょっと空いた時間に注文したり、時間と場所を選ばずトレードができる。しかし、携帯では画面が小さく、操作が面倒なこともあって、外出中などに補助的に利用しているという人が多いのではないだろうか。
その点、iPhoneなら画面が大きくてチャートなどが見やすいし、操作も指で簡単にできるから外出先でも本格的なトレードができる。iPhoneをはじめとしたスマートフォンが、今後モバイルトレードの中心になっていく可能性も高いのではないだろうか。
サービスを提供する証券会社やFX(外国為替証拠金取引)会社もiPhoneアプリの開発に力を入れている。株でiPhoneアプリを提供している会社としては、松井証券のほか、SBI証券、楽天証券などが主なところだ。
なかでも他社に先がけいち早くリリースされたのが松井証券の「株touch」だ。それだけに機能も充実している。 たとえば、最短ゼロ秒で自動更新される株価ボードには最大140銘柄を登録でき、外出先でも気になる銘柄をすばやくチェックできるのが特徴だ。
また、当初は注文の際にiPhoneアプリから携帯取引サイトへの移動が必要だったが、バージョンアップによって現在では、iPhoneアプリ上で注文までできるようになっている。
また、注文時には通常の注文機能に加え、スピード注文も利用が可能になった。事前に株数などの注文条件を設定しておけば、板画面で価格(気配値)をタップするだけで発注できる。相場の変動が大きいときでもすばやく発注できるというわけだ。
「株touch」のもうひとつの特徴は、マルチタスキング機能が利用できること。マルチタスキングはiPhoneのiOS4から利用が可能になった機能で、複数のアプリを同時進行させ、簡単に切り替えができるもの。
たとえば「株touch」で銘柄分析中にサファリ(インターネットブラウザ)を使って株主優待を調べる、などということも可能だ。調べたあとも再度ログインすることなく「株touch」に戻れるのでスムーズ。
さらにショートカットメニューを自分で設定することができるので、よく使う機能をすばやく呼び出すことも可能だ。
SBI証券のiPhoneアプリ「SBI株取引」も板画面からの注文機能が特徴だ。また銘柄登録は1000銘柄まで可能で、タップすれば詳細情報をチェックすることができる。銘柄検索では、部分キーワードや銘柄コードによる検索が可能で、ヒットした銘柄をタップすれば、さらに詳細情報をチェックすることができる。
楽天証券のiPhoneアプリ「iSPEED for iPhone」は、お気に入り銘柄をパソコンとiPhoneで同期できる。
また、事前に設定しておけば、iPhone本体をシェイクすると最新データを取得するなどのユニークな機能も備わっている。株価指数や為替など21種類のレートの配信や、1日1000本以上のロイターニュースが提供されるなど情報面も充実している。
株の売買は日中がメイン。iPhoneアプリを利用すれば、時間と場所を選ばず投資が可能になる。
※マネーポスト2011年1月号