日本にある朝鮮学校の無償化問題はネットを中心に大いなる議論を呼んだが、ジャーナリスト・櫻井よしこ氏は無償化に大反対。その理由を説明してもらった。
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韓国の自由・民主主義体制を守り、それを北朝鮮にも広げていくことは、日本の国益にもつながります。 しかし民主党政権にはその明確な認識があるのでしょうか。驚くべきことに、砲撃事件を受けて「凍結」の意向を示しているものの、民主党は朝鮮高校の授業料無償化に前向きです。
朝鮮学校は、北朝鮮本国の指示のもとで動く朝鮮総連と深い関係をもち、北朝鮮から年間2億円の援助金が朝鮮総連経由で送金されているといわれています。80年に拉致された原敕晃さんの事件に関連して、大阪朝鮮初級学校の元校長、金吉旭が国際手配され、78年には広島朝鮮学校出身の青年らが大量のヘロイン密輸事件で逮捕されました。
朝鮮高校の授業料無償化は、北朝鮮からの支援金を日本政府が、日本国民の税金を使って肩代わりするにも等しいのです。
北朝鮮の意を受け、金正日を礼賛する教育を行なっている学校に、日本国民の税金を投入することが許されるはずがありません。「弱い立場の生徒がかわいそうだ」などというのは、まさに北の世論工作そのものです。
もうひとつ、日本がすぐになさなければならないのは、「集団的自衛権」を明確に認めること、さらに自衛のための「先制攻撃」「敵基地攻撃」は、憲法上も可能だと明言しておくことです。
北朝鮮はいま、「日本は何もできない国」だと侮っていますから、「日本を怒らせたら怖い」と知らしめておくこと。それは北朝鮮の暴発を抑止するのみならず、中国に対しても有効な抑止力になるのです。
※週刊ポスト2011年1月7日号