かつて上野駅は「東京の玄関口」と呼ばれ、地方から上京する人にとって、大きなスタート地点であったはずだ。それが現在では「東京の玄関口」と言われたら、東京駅や新宿駅を思い浮かべる人が多いのではないだろうか?
そして日本の「空の玄関口」といえば、成田空港。しかし昨今はその地位も羽田空港の国際線拡大によって、変化しつつある。
こうした時代の変化で移ろう玄関がある一方、日本の「西の玄関口」といえば、今も昔も大阪駅といえる。
JR西日本の乗降者数1位、JR全体でも4位(1~3位は新宿、池袋、渋谷駅)という数字はその実力をあらわしている。JR・私鉄各線のターミナル駅であることはもちろん、商業施設や娯楽施設にアクセスが良く、国際線・国内線の空港も近いという立地から、この「西の玄関口」の地位は盤石だ。
大阪駅は1870年代の建設当初不便な立地であったが、当時珍しい洋風建築に人気が高まり、駅を見るために観光客が集まる“ランドマーク”になったという。
そんな日本の鉄道創成期から西の“ランドマーク”であった大阪駅が、2011年5月に生まれ変わる。
その名も「大阪ステーションシティ」。
「大阪アクティ」が増築されて新たな形となる「サウスゲートビルディング」、そしてオフィスゾーンを有する地上約150mの「ノースゲートビルディング」の2つのビルに加え、東西約180m南北約100m最も高いところで高さ約50mとなる巨大ドームが大阪駅全体を覆う。
ホテルやレストラン、シネコン、百貨店、専門店街といった、“CITY(まち)”としての機能の充実は、更なる利用者の拡大につながるだろう。
同じく2011年が開業となる東京の“ランドマーク”「東京スカイツリー」は7月開業。そして「大阪ステーションシティ」は5月の開業を予定している。ひと足早くお披露目される、新たな西の“ランドマーク”をチェックするのも、2011年の楽しみのひとつかも。