夫婦のかたちも様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが漫談家の綾小路きみまろに、メールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、ご主人(53歳)が化粧品メーカー勤務の奥様(49歳)。イブの夜、自宅にパトカーが…。
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クリスマスケーキは遅い時間だと半額になるので、夜7時過ぎ、高校生の娘と近くのケーキ屋さんへ。買い物を終えて戻って来ると、家には人だかりが!
見ると、パンツ1枚の主人が、警官の前で何やら必死で言い訳をしています。私を見つけると、「どこ行ってたんだよ! おかげでオレは…」と、半ベソ状態。
主人ったら、私たちを驚かそうと、トナカイの頭の被り物を借り、庭の物置小屋に隠しておいたらしいんです。帰宅すると物置小屋に直行。パンツ1枚になって、トナカイの頭を被り、玄関のスイッチをピンポーン。ところが誰も出てきません。
ドアを開けようにもキーは物置小屋に置いたスーツの中。寒さに震え、ヤキモキしながら玄関の前をうろうろしてたらしいんです。
それをたまたま通りがかった人が見て、「不審者がいる!」と110番。疑いは晴れたんですが、主人の怒りの矛先は私に。「ケーキなんて昼間に買っておくべきだろうが! 半額になるなんて、しみったれたこといってるんじゃないよ。おかげでオレは変質者扱いされたんだぞ! ハ、ハクション! 風邪まで引いちゃったじゃないか!」
いい加減にしてよ! こちらはアナタの少ない給料でやりくりしてるんですからね。ケーキ代半額で浮いた分、風邪薬で消えちゃうじゃないのよ!
※週刊ポスト2011年1月7日号