大増税のあおりを受け、11月のたばこ販売本数は前年比40%も減った。そんな逆風のなか、いま売り切れ続出となっているのが「刻みたばこ」だ。
刻みたばこは、江戸時代に流行したたばこで、乾燥させたたばこの葉を髪の毛くらいの細さに刻んだもののこと。フィルターのついた紙巻きのたばことは違い、煙管(きせる)の穴につめて火をつけて吸う。現在、国内で市販されている唯一の刻みたばこ「小粋」(1箱10g入り360円)は、10月以降、売れ行きが倍以上に。
東京・銀座の老舗たばこ店「銀座菊水」によると、「小粋は昨年まで売れても月70箱ぐらい。でもいまでは1日10箱、月300箱ペースになってるんです」とのこと。人気の秘密は、「お得感」にあるようだ。愛煙家のサイト『シガー・ダイレクト』でコラムを書くヒロ嶋田さんがいう。
「従来の紙巻きたばこは通常1箱20本入りで20回しか吸えません。しかし刻みたばこならば1箱で3倍の60回程度吸えます」
これまでは老舗のたばこ専門店か百貨店で売られている程度だったが、このブームに乗じて一般のたばこ店でも置きたいという店が続出しているそうだ。
※女性セブン2011年1月6・13日号