新語アナリストの亀井肇氏が、これから世の中に浸透しそうな言葉を先取り紹介。「タマゾン川 (Tamazon River)」という言葉を同氏は紹介しているが、多摩川ばかりか、名古屋でも、とんでもないことが起こっている。
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【定義】東京都と神奈川県の境を流れている多摩川の異名。ペットとして飼われていた外来の熱帯魚などが捨てられ繁殖して、アマゾン川化していることがその語源。
【越冬】多摩川でこれまで見つけられた外来種は200種を超すという。熱帯のグッピーやエンゼルフィッシュ、日本にはいないナマズ類など多種多様である。下水処理の影響で、冬でも水温が24度くらいの場所があり、グッピーでも冬を越すことができるという。
【おさかなポスト】こうした事態に対して川崎河川漁協では、魚を多摩川に放流しないように川崎市内に専用槽の「おさかなポスト」を5年前から設置している。ペットとして購入した魚が大きくなって飼えなくなったり、引っ越しなどで手放さなければならなくなった人たちが、その専用槽に入れられるようにしている。引き取られた魚は飼育を希望する人に渡されている。
【堀川】多摩川だけでなく、全国各地の大きな川でも同じように様々な外来種の魚が放流されている。名古屋市中心部を流れて伊勢湾に注いでいる堀川でも、オオクチバスやアリゲーターガーなど5種の外来種の生息が確認されている。名古屋市は10年5月に「外来生物調査隊」を30人のボランティアで発足させて、ワニガメやアリゲーターガーなど人に危害を与える恐れがある外来種を発見した場合は、市に連絡して専門家が捕獲することにしている。
【蛇足】日本在来種の魚は外来種に負けてしまうのか?
※SAPIO2011年1月6日号