年末の風物詩といえば、NHKの『紅白歌合戦』。ここでは「北国」出身の常連歌手について解説しよう。まずは、今年の出場者で最多の出場回数(47回)を誇る北島三郎が語る。
「函館の外れ、知内で育った私は、長い冬のシバレる寒さに耐えることは当たり前でした。それが故、春に花が一斉に咲く楽しさ、短い夏に太陽の恵みを全身で受ける嬉しさ、秋に澄み切った空気を胸一杯に吸う喜びを、人一倍感じることができる。人と自然が与えてくれる“温かな喜び”が私の血肉となっています」
東北には、吉幾三(青森)や、藤あや子(秋田)らがいる。『越冬つばめ』の代表作で知られる作詞家・石原信一氏(福島)の話。
「東北人の特徴は“粘り”。吉さんもアイドル歌手としてデビューしながら、C型肝炎を乗り越えるなど苦労を重ねた。千昌夫さん(岩手)も大成功の後に事業に失敗しても歌い続ける、打たれ強さを感じます」
※週刊ポスト2011年1月7日号