同居の場合、夜の生活もなかなか気を遣うもの。宮城県塩釜市のT子さん(30)の姑がとった、異常な行動とは。(女性セブン1987年6月25日号より)
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「私は25才で結婚し、48才の姑と同居することになりました。
姑は35才で夫を病気で亡くし、以来ずっと孤閨を守ってきたからでしょうか、異常なほど嫉妬深く、私は、ノイローゼで食事ものどを通らない状態なのです」
T子さんのご主人は、食品加工工場に勤めるサラリーマンで、T子さんと同い年。
酒、たばこ、ギャンブルはいっさいやらないクソまじめな夫だが、あちらのほうはかなりの絶倫。
新婚以来、夫婦生活は1日おきのペースで、T子さんは夫の愛情に身をまかせて、姑の存在を完全に忘れる夜が続いたが、結婚半年めのある夜、寝室にはいっていつものように夫の胸に顔を寄せると「きょうはよそう」と夫がいいだした。
「どうして?」というと
「おふくろが聞いているんだよ」
T子さんの体をサーッと悪寒が走った。T子さんが起きて2階の寝室のふすまをあけると、なんと姑が突っ立っていた……。
嫁:「お姑さん、なんでしょうか?」
姑:「いや、ちょっと、めがねを探してましてね」
すごすごと姑は階段を降りていった。その日から、姑の異常な行動が始まった。T子さんは語る。
「姑はいつまでも寝ないで、ず~っと私たちと居間にいるんです。
それで、私たちが早く寝室にはいると、夜中の1時ごろまでトイレのドアをわざとバタンと閉めたり、冷蔵庫をひっきりなしにバタンバタンとやるのです」
嫁:「イヤだわ、お姑さん、まるで私とあなたが寝るのを、妬んでいるみたい」
夫:「おふくろの悪口はいうなよ、キミらしくもない。狭い家だし、しょうがないだろう」
それから、T子さんは夜がくると神経がイライラするようになった。姑が寝室を覗いている恐怖に襲われるようになったからだ。そして、それがとうとう現実となった。
「結婚して2年くらいしてからのことでした。
姑がふすまを2cmくらい開けて、ジーッと見ていたんです。
気がついたときは、夫は夢中で私の体の中にいましたが、姑のぎらついた目が妖怪のようで、
“ギャーッ、助けてぇ!”
と、私は思わず叫んでしまいました。しかし、姑は恍惚とした表情でしばらくジーッとそこに立っていたんです」
それからT子さんは、夫に抱かれても燃えなくなってしまった。
「あんなに寝るのが遅いのに、姑は毎朝5時に起きて、2階の私たちの部屋の前でわざわざ“エッヘン!”とせきばらいを3回くらいして、それから散歩に出かけていくのです」
つい最近のこと、T子さんが朝食の準備を始めたが、姑が帰ってくる時間にまに合わなかった。
姑:「いい年こいて、いつまでいちゃついているんだ。近所の人が笑っているよ」
それから姑は、“ここぞとばかり”に息つく暇もなく、T子さんに暴言を浴びせる。
「あんたは、人間の体をしているけど、けだものとおんなじだわよ」
「息子にいちゃつくばかりで、料理はまるでダメ。どこにいいところがあるの!」
「ほんとに高校までいって、いったいなにを勉強してきたのよ。男の尻ばかり追いかけてきたんじゃないの」
鬼のように蛇のように変貌した姑は、これだけいっても気がすまないらしく、T子さんを殴りつける始末。
そしてT子さんはとうとう堪忍袋の緒が切れた。ある日、買い物の帰りに近所の主婦とすれ違うと、
「ご夫婦仲がよろしくって、いいわねえ」
と、妙に侮辱を含んだ笑みでそう声をかけられたのだ。真相を追究してみると、予期したとおり、嫉妬に狂った姑が、近所の奥さん連中をつかまえては、
「うちの嫁ときたら、昼間はなにもしないで、夜になると激しいんですよ。もう、あられもない声をあげるので、私は毎日、すっかり不眠症で、5キロもやせました。ほんとにあんな嫁は、一生の不作ですよ。悔しいたらないよ」
と、いいふらしていたのである。
それをちょっとたしなめると、
「鬼嫁に殺される~」
と、泣き叫ぶ姑――。
T子さんの嘆きは続く。
「夫婦関係もすっかり冷えて、いまだに子供ができないのは姑のせいだと思っています。
胸の中が煮えくり返る思いで、これから先も暮らさなくてはと思うと、もう地獄にいる毎日なのです」