ところ変われば“おもてなし”の方法も違うもの……とはいえ、姑の“おもてなし”には別の狙いが!? ペンネーム「食事には食事を! 目には目を! われながらちょっと怖い……」さん24才から届いたエピソード。(女性セブン1989年8月31日号より)
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主人の実家では、食べものをいっぱい出すことが最高のもてなしらしいの。質より量の勝負なわけ。そうこられちゃ、こっちもつい悪いと思って、必死に食べるわな。
のどまで食べものがつまってるのに、さらに無理やり押し込んで、やっと食事をかたづけたと思ったら、お義母さん、「食後にちょっと甘いものって、ほしくなるのよねえ」
「え、ええ……」と、ついまたいっちゃったから大変。なんと出てきたのが、子供の顔ほどもある大福! 「これ、このへんの名菓なのよッ」って。
名菓っていうのは、普通、小さくて上品で上等なやつをいうのよッ!――と心では思いつつ、口ではまたつい、「おいしいですね」っていっちゃったから、このあとはもう地獄。
「アキコさんは大福が大好きだから」って、それから毎日、食後の大福攻めよ。おかげで、お盆・お正月の帰省ごとに、毎回5Kgも太っちゃって。せっかく、食事制限だ、エアロビクスだと血のにじむ思いでやせようとしてるのに、その努力も一週間で水のアワ。
これは姑のインボーとしか思えないわよ! あったまにきちゃうから、このごろは、帰ってきたら必ず“高血圧”のお義母さんのだーい好物、塩辛いものを選んで送ってやるんだ。