「美人すぎる××」の氾濫は、一種の社会現象となっているが、では、ビジネス面ではどこに、どれほどプラスをもたらすのか。その“美味しすぎる経済効果”を、元日本証券経済研究所主任研究員で埼玉大学経済学部教授の相沢幸悦氏が検証する。
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様々な試算から算出した「美人すぎる市議」、藤川優里氏の経済効果は約37億5780万円。「美人すぎる海女」大向美咲さんは約8億円。「美人すぎるヴァイオリニスト」宮本笑里さんは約3億円。「美人すぎる社長」森永佳未氏(現在は退任)は約3億3000万円。
以上、4人の「美人すぎる」女性の直接的な経済効果は単純平均で約13億円。
よって、単純にこの「美人すぎる××」が10人いれば、直接的な経済効果は約130億円。20人なら260億円となる。関連消費や雇用など、波及効果も含め、乗数効果は産業連関表をもとに考えれば、最低でも1.5倍、話題性の大きさを勘案して2倍に設定する。そうなると、「美人すぎる10人」で260億円、20人で約520億円である。
約800人のタレントを擁する吉本興業の売上高が465億円(2007年3月期)であったことと比べても、ブームの勢いがよくわかる。その恩恵に与るのは、本人、所属事務所などから自治体、企業まで広範囲にわたり、「美人すぎる××」が“乱発”される理由の一端が垣間見える。
※SAPIO2011年1月6日号