猫を好きな人はよくいるけれど、千葉県31才の主婦・飯島良子さん(仮名)の姑は、孫より猫が大事な意地悪姑だという。変わり者の姑が孫にとった、あきれた行動とは。(女性セブン1988年11月10日号より)
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「姑(67)は、毎朝、“ほれ、これ洗っといてくれよ”と、私に汚れた腰巻を突き出すのを快感にしています。それはひどい汚れで、ときどき便がしみついていることさえあります。その臭いにむかつき、これまで何度、風呂場で吐いたかわかりません」(良子さん)
姑はたいへんな猫好き。茶と白のブチのオス猫に“ボン”という名前をつけて飼っているが、「ボンや、ボン、おまえはこのうちでいちばん大事なんだからね」と、小魚を口移しで与えて、うっとりと目を細める始末。
「それだけならいいんですが、姑は猫の食器と人間の食器の区別をしません。平気で、私や息子の茶碗や皿に猫のごはんを入れて食べさせます。そして、洗うのもおなじ流しです。 しかも、食卓の上で平気で猫のエサに魚の煮汁をかけ、わざわざ私の箸でまぜるのです。そして、猫の食べ残しを冷蔵庫にしまい、知らん顔です」(良子さん)
10日ほど前のことである。高校時代の友人が入院したため、良子さんは見舞いに出かけた。「勝手しますが、くれぐれもよろしくお願いします」と、息子のことは姑に頼んでいった。だが、電車に乗ってから良子さんは、“ああ、あの子も一緒に連れてくるんだった”と後悔の念が頭をかすめた。
夕方、5時近く急いで帰ってきた良子さんは、一瞬、わが目を疑って茫然と立ちつくした。1才8か月の息子が、大きなボウルに手をつっこんで、むさぼるように食事にありついていた。猫のボンも一緒にくびを突っこんで一心不乱にエサにありついていた。
息子の右手には魚の頭が、左手にはキャットフードがにぎられていて、口のまわりにもこびりついている。それをボンが奪い取ろうとしていた。息子は泣きわめきながら魚にかぶりついている。額から血が流れている。鼻の頭や両頬にいく筋もの傷が走り、みみずばれになっていた。
「お姑さん! なんてことするんですか!! 人間と猫を一緒にするなんて」――良子さんはエサのはいったボウルを蹴飛ばしていた。
「な、なにをするんだ。この子が腹すかせてキーキー、ヒーヒー泣くから、一緒にごはんを食べさせてやっただけじゃないか!? これは上等な尾頭付きの鯛なんだよ。ちょうど親戚が届けてくれたから、ボンにやろうと思ったんだけど、かわいそうだから、この子にもおこぼれにあずからせてやったというのに……。
それにね、このエサだって、500円の固形のキャットフードと100円の魚のカンヅメなんだよ。本当は一週間でなくなっちまうんだ。1日に85円もするんだよ。高いもんじゃないか! 私の少ない小遣いから買ってるんだからね。感謝さえこそすれ、憎まれるおぼえはないね」といい放った。