この夏頃から全国各地で「小沢一郎支持デモ」というのが起きている。インターネット上の呼びかけで自然発生的に1000人以上集まる。普通の市民が自発的にいわゆる「政治とカネ」の問題を調査したり、検証したりしている。特定の政治家に対して、国民がそういう形で集会やデモをすることなどかつてなかった。そのことについて、小沢氏は――。『小沢一郎 嫌われる伝説』の著者・渡辺乾介氏のインタビューに、小沢氏が答えている。
* * *
小沢:みんな互いに知らない人たちなんですってね。
――そうです。
小沢:それが自然発生的に起きるということは、日本の社会ではなかったことじゃないですかね。僕も大変感激しているんですけれども。
――しかし、ネット社会の新しい展開を、多くの国民はまだ知らない。
小沢:新聞、テレビが無視して、全然伝えないからね。
――「小沢糾弾の市民集会」ならば報道するだろう。
小沢:(苦笑しながら)うん。ほんとうにね。ただ、国民の皆さんのほうが早く目覚めてきているというのは、一つには新聞、テレビ以外のメディアが増え、それを利用する人たちが急増したからですね。それが様々なネットです。しかも、ネットを利用する人たちは、かつては行動しない人が多かったですよね。ところが、今はお互いに呼びかけ合って行動するようになってきたでしょう。
――ええ。
小沢:選挙でもそうなんですよ。これは7~8年前かな、自由党はネットでは常にダントツの支持率だったんです。だけれども現実の選挙では1割しかとれなかった。でも今は、ネットの声が現実に近づいてきた。
――国民は「政治とカネ」の報道漬けにされ、小沢は不正な金で不動産を買ったとか、そういう印象を刷り込まれてきた。あなただって生身の人間だから、憤怒のマグマがたぎっているんじゃないか。
小沢:肩が痛かったり、腰が痛かったりね(と苦笑い)。体は、まあ大丈夫だけれども、なるべく新聞、テレビは見ないようにしている。
※週刊ポスト2011年1月7日号