大阪地検特捜部のFD改ざん事件で、事件発覚のきっかけとなる“告発”を行なったのが、彼らとともに郵政不正事件の捜査に当たっていた女性検事のAさん。自らの職を賭し、涙ながらに上司に訴えたヒロインは、上司や同僚が懲戒解雇や閑職に異動となる中、今も当時と同じ大阪地検で公判検事を務めている。
「しかし、上の判断で公判そのものには出廷していません。“マスコミや一般の傍聴者が、法廷での彼女を興味本位で見に来ると、公判の妨げになる”というのが表向きの理由ですが、簡単にいえば干されているということ。検察内では、告発することで法秩序を守ったという称賛の声は少なく、上司に盾突いた“使いづらい人間”という評価なんです。もっぱら書類をまとめたり、資料を検討したりと、雑用仕事ばかりさせられているようです」(全国紙記者)
それだけに、来年4月に他の部署に異動するのは必至というのが、地検内での見方だという。
「本当は地方に飛ばしたいところだが、左遷色の強い地方に異動させると“懲罰人事だ”とマスコミに騒がれる。いまの段階では、東京地検の目立たない部署に持っていくと見られています」(前出・記者)
“庁内失業中”ともいえる微妙な立場にもかかわらず、A検事はめげた表情も見せずに登庁しているという。
※週刊ポスト2011年1月7日号