世界的な金融緩和が続き、当面は低金利が続くと予想されている。住宅購入を考えている人にとっては追い風に映るかもしれない。 果たしてこの先、住宅価格はどうなるのか。住宅ローンなどに詳しい「家計の見直し相談センター」の藤川太氏が解説する。
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近年の景気のリズムからいえば、古くは1987年のブラックマンデー、1994年のメキシコ通貨危機、1997年のアジア通貨危機、そして2001年からのITバブル崩壊、2007年のサブプライム・ショックに端を発した金融危機……と長くても7年に1回は経済ショックに見舞われている。
これを当てはめれば、遅くとも2014年には再び危機が到来する可能性があるといえるだろう。
ただ、見方を変えれば、この2011年から13年にかけて景気は上向くと見ることもできる。なにしろ先進国は一斉に金融緩和策をとり、溢れた資金が株式市場や不動産市場に向かい、金融バブルが起こる可能性が高まっている。
今後2~3年の間に“ミニバブル”となってもおかしくないだろう。そして、2011年はその兆候が見られる年になるのではないかと見ている。
2~3年先まで見越せば、現在はまだ買いやすい水準といえるかもしれない。だからといって、十分な頭金も用意できず、無理をして住宅ローンを組まなければ買えないような人は購入を見送るのが賢明だろう。
不動産というのは、ピーク時とどん底では1000万円以上の差がつくのはザラだ。
やがてくる下落に備えてじっくりと頭金をためておけば、崩壊時に驚くほど安い価格で手に入れられるかもしれないのだから、決して焦る必要はない。
※マネーポスト2011年1月号