国内

鳩山前総理の「半年で領土問題を解決する」発言を櫻井氏批判

ロシアの大統領として初めてメドベージェフ大統領が北方領土に上陸するなど、北方領土問題の解決は遠のくばかりだ。ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、旧ソ連の責任を追及し続けたポーランドに学ぶべきと指摘する。

* * *
北方領土はロシアが戦後のドサクサに紛れて、日本から盗み取ったものです。日本はポツダム宣言を受け入れて1945年8月15日に降伏し、平和武装解除に無条件に応じました。

そこで戦闘を終えなければならないにもかかわらず、ソ連は米軍がいないことを確認しながら南下を続け、8月18日、初めて、北方領土に軍事侵攻しました。北方領土を占領し終えたのは9月5日でした。

日本はその3日前の9月2日、東京湾に浮かぶミズーリ号の艦上で降伏文書に署名しました。つまり、戦争も降伏の儀式も終わった時点でもなお、ロシアは軍事侵攻を続けていたのです。

その間、北方4島に住んでいた日本人は殺され、強姦され、島を追い出されました。にもかかわらず、ロシアは恥じることもなく、9月2日を「戦勝記念日」として制定したのです。

日本はまずこのことに猛然と抗議し、いかにソ連が国際法を無視した野蛮な行為で北方領土を不法占拠したか、ことあるごとに国際社会に訴えていかなければなりません。

ポーランドは、スターリンの時代に1万数千人のポーランド将校が殺害された「カティンの森事件」について、どんな国際会議でも必ず、ソ連、ロシアの責任を追及し続けました。民間でも『カティンの森』という映画を製作しました。ソ連、ロシアは一貫して「捏造だ」と主張し続けていましたが、ついに昨年4月、ソ連の責任を認めたのです。

日本も腰をすえて、ロシアの不法行為をしつこいほどに国際社会に訴え続け、北方領土の返還をことあるごとに求め続けなければなりません。

こうした国際情報戦を何年何十年と繰り返し、積み上げていくことが重要です。鳩山由紀夫前首相が政権についたとき、「半年で領土問題を解決してみせる」などと述べましたが、そんな甘い認識が、ロシアの大統領に北方領土上陸を許すことになったことを、民主党政権は猛省すべきです。

※週刊ポスト2011年1月21日号

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン