民主党代表選に敗れたとはいえ、去年の政局の中心にいたのはやっぱり小沢一郎氏。そんな小沢氏は今、何を考えているのだろうか。『小沢一郎 嫌われる伝説』の著者・渡辺乾介氏が、小沢一郎氏に独占インタビュー。
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――小沢排除派の官僚、政治家、大メディアなどの共通性をたどっていくと、“アメリカの子供”として日本で安住していきたいという人たちが多い。
小沢:「あー」(といって小さく頷く)
――結局、アメリカのいうことを聞いている方が政治の舵取りが楽だからか。
小沢:「自分で考えなくていいから、気楽なんでしょう。ただ、アメリカだって自国の利益を犠牲にしてまで日本のためにやるわけではないですよ。特に今は、イラク、アフガニスタンで事実上、戦争をしているわけでしょう。ところが日本人は、何か自分に都合のいい時だけ、アメリカ人は血を流して(日本を)守ってくれという。しかも、自分は危険なことはやりませんという話ですからね
アメリカは、ほんとうに自分の利益に合致しなかったら、血を流してまで日本を守る気はないです。だからその意味で、僕はもっときちんと自立した日本人と日本にならなくてはいけないと主張している。アメリカは最大の同盟国であって、日本にとって最も大事な国であることは間違いない。ただ、だからといってアメリカに尾っぽを振っているだけでよいわけではない」
――あなたはかつて、アメリカが孤立主義、保護主義的な政策をとるようなことになるとしたら、それは日本外交の失敗、日本の責任だといった。この考え方は今も変わらない?
小沢:「変わりません。アメリカは自国だけで食べていけるから、従来から孤立主義の考え方がどうしても根強いんですね。だけれどもやっぱり、あれだけ腕っぷしの強い国だから、アメリカを除外しては世界の平和、秩序が成り立たない。国際舞台にアメリカを引っ張り出しておかないと駄目なんです。
そのためには、日本はただのアメリカの飼い犬ではなくて、ほんとうに頼りになる友人、パートナーにならなくてはいけない、というのが僕の持論なんですよ。
今の俗論は、アメリカのいうことを何でも聞いていればいい、その方が安心で楽でいいじゃないか、ということでしょう。しかし、それはいずれ破綻しますよ」
※週刊ポスト2011年1月21日号