栄枯盛衰の芸能界で、タレントの「格」を如実に表わすのが「ギャラ」だ。当然ながら大物であればあるほどギャラは高騰するし、若手の無名タレントなら雀の涙となる。しかし、高額ギャラの芸能人を使えば必ずしも視聴率が上がるというわけではないのが難しいところ。某キー局で多くのドラマを担当するプロデューサーがいう。
「出演ギャラは、タレントの実績と、事務所と局の付き合いを考慮しつつ毎回個別に決定します。だからタレントの人気が下がっても、人間関係もあってギャラのほうはなかなか下げられない。高い女優を使っても数字(視聴率)に結びつかない場合は結構あるんです」
いまやテレビ業界は空前の大不況。そんな“ハズレ”のタレントに高いカネを払っている余裕はない。そのため各局ともキャスティングには苦労しているのだが、その中で最も参考にしているのが、大手広告代理店などがCM出演料の設定などのために独自に算出している「潜在視聴率」だ。潜在視聴率とは、そのタレントが出演した際に獲得できると推測される「持ち視聴率」のことを指す。
「我々は、広告代理店やリサーチ会社が作成した各タレントの潜在視聴率と平均ギャラを比較しながら、“損か得か”を判断し、キャスティングをしているんです」(前出プロデューサー)
※週刊ポスト2011年1月21日号